2013年前期派遣
「日本の外にいるものとしては、やはり日本人には、きちんと日本のことを知っておいてほしい。」
これは、私がドミニカで5ヶ月間過ごしてきた中で、印象に残っている言葉のひとつです。ドミニカでは、現地の学校などで広島の原爆投下がどれくらい知られているのかを調査をすること、そしてヒロシマを発信することが主なインターンシップ内容でした。
最初は、今まで広島で学んできているから大丈夫だろうと思っていましたが、活動を進めていくにつれて、ドミニカの人が分かるヒロシマの伝え方について悩むようになりました。活動の中ではいつも「自分がいろんな知識を持っていれば、伝え方ももっと工夫できるのに。」というもどかしさがありました。冒頭の言葉は、活動の一環として、ある日系の方にお話を伺いに行った際に、その方がおっしゃった言葉です。この言葉で、私は自分の無知を再認識したと同時に、もっと自分自身が広島のことのみならず、日本のことを知らなければならないという思いを強く抱くようになりました。ドミニカで、この活動をしようと思っていなければ、今の自分に何が足りないのか気づくこともできなかったと思います。ドミニカで感じたこの思いを忘れることなく、これからも過ごしていきたいです。
(旧学部ウェブサイトから転載)
2012年後期派遣
このインターンシップのなかで最も私の印象に残っているのは、グアイマテという町のサトウキビ畑で働く出稼ぎハイチ人労働者の集落を訪れたときのことです。
現在、ドミニカ共和国には、隣国ハイチから出稼ぎに来る労働者の集落が50ヶ所ほど存在しています。インターンシップ期間中、私は、現地JAICAボランティアの方のご協力を得て、そのうちの一つを訪れることができました。
ドミニカでは、植民地時代からのハイチによる侵攻などの歴史的背景から、現在でもハイチ人に対する根強い差別意識が存在しています。私が見学した集落では、3つしかないシャワー・トイレを800人が共有するという劣悪な環境のなかで、1日300円稼げるか、稼げないかという極貧の生活をされていました。私は、そんな集落の中で活動する「180°」という地域の若者が立ち上げたNGOの存在を知ることができました。NGOのメンバー自身も決して裕福な暮らしをしている訳ではないけれど、お金がなくても自分たちで世の中を変えていけると信じ、集落に住む人々の生活環境の改善のために活動しています。また集落の人々も彼らの支援に感謝すると同時に、支援を待つだけでなく、自分達も立ち上がらなければいけないのだと話されていました。そうした彼らの真っ直ぐな強さや、自分達の生活を自らの力で変えていこうとする姿勢に接するなかで、私自身も、環境のせいにして諦めるのではなく、「自分に今できることは何なのか」を常に問いかけることの大切さを知るようになりました。
(旧学部ウェブサイトから転載)
2012年前期派遣
「私がインターンシップ生として行った業務のひとつに、ドミニカ・サマーリーグ調査があります。サマーリーグとは、ドミニカにあるアメリカ・メジャーリーグのアカデミー・チーム全30球団が地区ごとに分かれて行うリーグ戦のことです。 インターンシップの期間中、私は、サマーリーグの運営組織・規定の在り方やドミニカ野球全体におけるリーグの役割などについて独自に調査を行いました。
調査では、インターネットによる下調べ、現地のスカウト・コーチ・従業員への聞き取り、実際の試合の視察、リーグ運営代表への訪問インタビューなどについて、どのようにしたら上手くいくのか、自らの頭で考え、自分で計画を立てながら、実行に移していきました。そのような経験を通し、自ら期限を決め、アポイントメントなどのスケジュール管理を行うことや、予定外の事態にも臨機応変に対応できるようしっかり準備をしておくことの重要性など、社会人として学ぶべき大切な事柄をいくつも学ぶことができました。
(旧学部ウェブサイトから転載)
2011年後期派遣
私は2011年度後期インターン生として、主にアカデミー内各部署(キッチン、ランドリー、グランドキーパー、清掃)の業務分析を行いました。アカデミーは明るく陽気な従業員ばかりで、すぐに溶け込むことができました。彼らは、いつも私の拙いスペイン語に耳を傾けてくれ、また、分かりやすい言い回しで話してくれたので、なかなか聞き取れなかったドミニカ訛りのスペイン語も次第に理解できるようになりました。従業員と仕事をともにする中で、他愛もない話をしたり冗談を言い合ったりしたことが何よりも楽しい思い出です。
アカデミー内に限らず、様々な場面で関わった現地の人々との交流では、ラテンアメリカに特徴的である“アミーゴ(友達)社会”を肌で感じられました。ドミニカ共和国という異国の地で長期間生活し、そのような独特の文化や日本と異なる習慣に触れたことは、物事の捉え方を根本から見直す機会となり、自分にとって非常に価値ある経験となりました。
(旧学部ウェブサイトから転載)