【学位】博士(文学)、名古屋大学国際言語文化研究科
2000年以来、日本語教師として留学生に日本語を教えてきました。
立命館アジア太平洋大学と琉球大学を経て2015年4月に広島市立大学に着任し、現在に至ります。
「身体性に由来する制約と環境からの影響が言葉の意味にどう関わるのか」という課題に興味があり、認知言語学の枠組みで、複数の言語を対象に「共感覚的比喩」や「味を表す表現」の研究・調査をしています。
日本語を母語とする私たちの頭の中にはすでに日本語文法が備わっていて、無意識に使いこなすことができます。しかし日本語を母語としない人々は外国語としての日本語を学ぶ必要があります。例えば日本語を学ぶ初級レベルの留学生は次のような誤った文を書いてしまいます。
*佐藤さんは私の誕生日にプレゼントをあげました。
こうした非文を手がかりに、改めて外国語としての日本語の文法を見つめ直し理解することを目指します。
認知言語学(Cognitive Linguistics)の見方を日本語教育に応用し、既存の日本語教育の問題点を考えます。
・認知言語学の基本的な考え方、キーワードを理解する。
・上記の理論をもとに、文化とことばの関係を考察する力を身に付ける。
・認知言語学の見方をふまえ、日本語母語話者の事態把握の仕方の特徴と言語化に至る過程を考える。
・上記を踏まえ、日本語学習者に教えるべき日本語らしい日本語とは何かを検討する。
主に次のような受講生を対象とします。
・現代日本語(特に意味や広い意味での文法)を対象とした研究がしたい
・認知言語学について勉強してみたい
・日本語や日本語教育に興味がある、など
私たちが日々無意識のうちに使用している「日本語」について意識的に考える機会を提供します。
また、言語とは何かという根源的な問いに対して、主体的に考えるようになることを期待します。そのために、より具体的な問題を切り口にしながら皆で考えていきたいと思います。
研究テーマ例:
類義語や多義語の意味分析、比喩、オノマトペ、言語使用の実態調査、言語教育への応用など
http://www.hiroshima-cu.ac.jp/Hiroshima-and-Peace/index.htm
国内外の学生を対象とした夏季集中講座では、次の講義を担当しています。
・ Japan Time I: Introduction to Japanese Language (for beginners)
・ Japan Time II: Lesson and Tips on Japanese Culture and Daily Life (for non-Japanese participants)
書名 | 日本語の共感覚的比喩 |
---|---|
著者 | 武藤 彩加 |
出版年 | 2015年2月 |
出版社名 | 株式会社ひつじ書房 |
内容紹介 | 「甘い声」のような五感内の表現の貸し借りを共感覚的比喩という。基本色彩語等と並び言語普遍性現象のひとつとされてきたが、本書では、日本語の共感覚的比喩の全体系を明確に示す。結論として、オノマトペや動詞も含め包括的に分析されるべきであるということ、メタファーだけでなく複数の意味作用によって成り立つものであること、比喩の一種ではなく感覚間の転用現象に対するラベルづけと捉え直すべきであること等を主張する。 |
書名 | ことばは味を超える-美味しい表現の探求 |
---|---|
著者 | 共著(pp.241-300.) |
出版年 | 2003年3月 |
出版社名 | 海鳴社 |
書名 | 「おいしい」感覚と言葉 食感の世代 |
---|---|
著者 | 共著 |
出版年 | 2010年3月 |
出版社名 | 株式会社B/M/FT出版部 |
書名 | 共感覚から見えるもの―アートと科学を彩る五感の世界 |
---|---|
著者 | 共著(pp.379-409.) |
出版年 | 2016年3月 |
出版社名 | 勉誠出版 |
書名 | ふわとろ SIZZLE WORD 「おいしい」言葉の使い方 |
---|---|
著者 | 共著(pp.166-182.) |
出版年 | 2016年9月 |
出版社名 | B・M・FT出版部 |